本展は、井津建郎氏がポンペイ遺跡局のオリジナルの石膏人型を、古代ポンペイの人々の「肖像」として撮影することを例外的に許可された貴重な作品です。
■ 写真家からの写真展紹介
「ポンペイ 鎮魂歌」は人々が消滅したベスビオス火山“噴火のその日”数年後の想像上の情景を構築して撮影した作品である。死に絶えた人々、しかし草木は再び復活して花をつけ成長している。
1900年前の火山の噴火は現代の核爆発に相当するような破壊力であったことが想像できる。日本人の私には広島への原爆投下後の記録写真と現在の広島の情景がポンペイと重なって見える。
初めてポンペイの人型を見た時に感じた、“これは現在何時、何処でも起こり得る脅威”と感じて現代の人々に提示するべくこの作品制作を考えた。
井津建郎
記
井津建郎写真展「ポンペイ 鎮魂歌 -POMPEII/REQUIEM-」
井津建郎
(敬称略)
井津 建郎 (いづ けんろう)
1949年大阪生まれ。日本大学芸術学部に学んだ後1971年渡米。ファッション・カメラマンの助手を3年間務めた後独立して、以来ニューヨークを拠点として作品制作と発表を続けて現在に至る。現在はニューヨーク州ラインベックに住居とスタジオを構える。1979年以来約40年間にわたって「聖地」を14x20インチのカメラで撮影、プラチナプリントによる表現を続ける。1993年にアンコール遺跡撮影のため初めてカンボジアを訪れる。
以後インド、ラオス、ネパール、インドネシア、ブータン、中東などアジアの聖地の撮影を精力的に行う。
2021年2月17日(水)~2月22日(月)
平日10:00~18:00 土日祝日10:00~18:00(最終日は14:00まで)
※写真展はやむを得ず、中止または変更させていただく場合がございます。
予めご了承ください。
※ 毎週火曜休館
Ⓒ井津建郎
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