わたしはよくカメラを持って旅をします。各地を訪ね写真を撮る中で感じるのは、⼈の営みが⼟地の景⾊をつくっているということ。庭や畑を⼿⼊れし、道具を扱い、暮らしの場所を整えていく。⼈が⾏き来した場所は道になる。時を超えて積み重ねてきた⾏為が、⽬の前の⾵景を⽣み出している。
そうした美しさを発⾒し記録することが、写真にはできると感じます。
今回の旅先は宮崎県。ずっと訪ねたかった友⼈に会いに⾏ってきました。彼⼥はヨガや⾳楽を愛し、野草を摘んでバームをつくったり、暮らしを⼯夫する達⼈。そんな彼⼥の⽇々を⼊⼝として、ひとの暮らしの場や、野⽣⾺たちが暮らす岬へと向かいました。
スケールの⼤きな⾃然の中にひとり⾝を置くことも、わたしにとっては⼤切なことです。⾃分のちっぽけさを感じて謙虚になれるからです。その気持ちはどこか落ち着かなさをはらみますが、怖さに似たその感覚は美しさと近い場所にあると感じます。
カメラを持つと発⾒しようという感覚が働きます。⼈や場所を訪ね、わざわざ撮りに⾏くことは、この世界を深く味わう⾏為。カメラは旅のきっかけにもなるし、旅そのものをより深く⾊濃い体験にしてくれます。
記
七咲友梨写真展 「あの人の町」
七咲友梨
(敬称略)
2023年6月28日(水)~2023年8月28日(月)
10:00~18:00(最終日は14:00まで)※ 毎週火曜休館
※当面の間、新型コロナウイルス感染防止などの観点より
営業時間を短縮とさせていただきます。
※写真展・イベントはやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。
予めご了承ください。
富士フイルムイメージングプラザ大阪 ギャラリー
■七咲友梨 Yuri Nanasaki / 写真家
島根県出⾝。役者として映画、ドラマ、舞台、CMなどで活動。その後、写真家・横⽊安良夫⽒に師事し独⽴。演劇経験で培った⼿法を活かし被写体に向き合う。ポートレイトや国内外の旅や暮らしの写真を中⼼に雑誌、広告、書籍、webなどの分野で活動。CM、ミュージックビデオ、映画などの映像撮影も⼿がけ、松浦弥太郎⽒(エッセイスト)初監督作品の映画「場所はいつも旅先だった」では映像・写真の撮影を担当(2021年10⽉公開)。
個展「朝になれば⿃たちが騒ぎだすだろう」他、グループ展多数。これまでの出版物に「No where,but here」(ShINC.BOOKS/Bis.)。「朝になれば⿃たちが騒ぎだすだろう」(1.3h/ イッテンサンジカン 刊)「どこへも⾏けないとしても」(1.3h/ イッテンサンジカン 刊)など。
カラー 約30点(予定)
Ⓒ七咲友梨
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