東京のどまん中、昭和の風情を色濃く残す町がある。江戸時代、徳川家康が漁猟強化のため摂津国佃村(大阪)から漁師達を移住させて作った島「佃島」だ。そこには大阪の田蓑神社(明治元年住吉神社より改名)の分霊、住吉神社があり家康の御霊が祀られる。
三年に一度、「本祭り」と呼ばれる住吉神社例大祭が執り行われる。何百年も受け継がれた大幟柱(おおのぼりばしら)と抱木(だき)が、大勢の男たちの手によって佃堀から掘り起こされる。幟(のぼり)がはためきお囃子の音色が町に響くと、揃いを纏った祭人が老いも若きも心躍らせ佃を祭る。祭人が紡ぐ伝統と美、織りなす人間模様、つかの間の安らぎ、熱狂と歓声、この瞬間を夢中で撮った。
2021年に続き2022年も本祭りはコロナ禍で延期となった。本祭りのない寂しい夏。祭りを待ち望むすべての人に届けたく、今回の展示に至る。
記
村越将浩写真展「佃 祭人」
村越将浩
(敬称略)
2022年8月10日(水)~8月29日(月)
10:00~18:00(最終日は14:00まで)※ 毎週火曜休館
※当面の間、新型コロナウイルス感染防止などの観点より
営業時間を短縮とさせていただきます。
※写真展・イベントはやむを得ず、中止・変更させていただく場合がございます。
予めご了承ください。
富士フイルムイメージングプラザ大阪 ギャラリー
■村越将浩(むらこしまさひろ)
写真家。広島県生まれ・大阪芸術大学写真学科卒業。
街と人間をテーマに、人の表情、街で見つけた物語、
そんな見過ごしてしまう様な瞬間を切りとる写真を追い続けている。
1985年 写真展「欧羅巴物語」ナガセフォトサロン(銀座・大阪)
1993年 写真展「SA・MA・YO・U」gallery・DOT(京都)
2021年 写真展「佃祭人」富士フォトギャラリー銀座
カラー、モノクロ 約40点(予定)
Ⓒ村越将浩
Ⓒ村越将浩